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【プレスリリース】健診データから判明!高血圧未治療に関連する意外な要因
本研究は、公益財団法人愛媛県総合保健協会が収集した健診データを基に、愛媛大学大学院医学系研究科 疫学・公衆衛生学講座にて解析を行った結果、高血圧未治療と関連する要因が明らかになりました。
令和7年3月21日に学術誌「四国公衆衛生学会雑誌」に公表されました。
高血圧は、脳卒中や心血管疾患などの重大な疾患リスクを高める要因として知られています。しかし、自覚症状に乏しいため、未治療のまま放置されている方が多いことが、高血圧対策の課題の一つであります。今回の研究では、40歳以上の健診受診者50,619名の健診データを用いて、高血圧未治療と関連する要因を調査しました。
その結果、BMI(Body mass index)が23kg/m²未満の痩せ型の方で、高血圧未治療の割合が高いことが判明しました。一般的に、高血圧対策は肥満の方を対象としていますが、今回の研究から、痩せ型の方の高血圧対策も必要であることが示唆されました。
その他にも、習慣的な喫煙や運動習慣のある方も、高血圧未治療の割合が高いことが認められました。一方、50歳以上の方や、糖尿病、脂質異常症、脳血管疾患、心血管疾患、慢性腎炎の既往歴がある方は、高血圧未治療の割合が低いことがわかりました。
今後、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、今回の研究結果は、今後の高血圧対策において、BMIが23kg/m²未満の痩せ型の方も含めた、よりきめ細やかなアプローチが必要であることを示唆しています。
〈論文情報〉
掲載誌:四国公衆衛生学会雑誌
巻、号、ページ : 第70巻第1号 e5
題 名: 高血圧者における高血圧未治療と関連する要因解明に関する横断研究
著 者: 細川 江梨子1,2, 田中 景子2,3,4, 西 甲介2,4, 三宅 吉博2,3
1公益財団法人 愛媛県総合保健協会
2愛媛大学大学院医農融合公衆衛生学環
3愛媛大学大学院医学系研究科 疫学・公衆衛生学講座
4愛媛大学食品健康機能研究センター
責任著者: 細川 江梨子(公益財団法人 愛媛県総合保健協会)
〈本件に関する問い合わせ先〉
公益財団法人 愛媛県総合保健協会
学術研究室
細川 江梨子
TEL:089-987-8208(内線1719)
MAIL:hosokawa@eghca.or.jp
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